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小川原 幸一
Koichi Ogawahara

1947年生まれ。楽器メ−カ−勤務中にドイツ滞在。もの作りのきっかけをみつける。
退社後、農家として独立。水耕トマトのハウス栽培を始める。現在は農業に区切りをつけ、
作家として、本格的に制作する。
1992年 埼玉県近代美術館にて個展
1994年 ギャラリ−NEKO(東京)にて個展
2008年 ギャラリ−恵風(埼玉)にてグル−プ展


この明かりをテ−マにした創作活動に入ったのは、実に偶然とも言えるあるささいなきっかけからでした。

私は機会あって楽器メ−カーの技術者として3年ほど(1980年〜1983年)西ドイツに駐在していました。
日本へ帰国する際に、現地で親しくなった友人達に何かプレゼントはないかと考えたのです。
日本のものをプレゼントしたい訳ですが、
陶器にせよ、衣料品にせよ、気に入るものがなく、なかなか手頃なものは見つかりませんでした。
ある時、会社に1センチ角位の角材の束が束ねてあるのが目に留まりました。
それはスプル−スという輸出用ピアノの鍵盤を固定しておく角棒でした。
ピアノの技術者に尋ねると快く譲ってくれました。

そのとき、ピンときたものがありました。
障子のようなランプシェ−ドを作ってあげたら喜ばれるのではないかと、、、。
しかし想像してみて下さい。真四角の碁盤の目のようなシェ−ドを作ってもあまりいいなと思えません、、。
星形に組んだらどうだろうとか、しまいには奴凧のようなものまで出てくる始末、、。しかし、どれも魅力に欠けるのです。

どれだけ考えたでしょうか、、。いつか、斬増する螺旋はどうか、と思い付いたのです、、。そうだ、そうだ、これがいい、
これがいいという訳です。
確か事務所に会った計算機で計算式を入れて、どのくらいの斬増率をとるといいらせんになるのかけっこう考えたものです。
そうして出来たのが、このペ−ジに載せている、蜘蛛の巣の形をしたシェードです。
これが私の最初の作です。非常によくできたのでくれるのが惜しくなるようでした。和紙ももちろん張りました。

皆に喜ばれましたが、そのうちの一人であるヨハンナという方が、
「コ−イチ、私達がこのランプをもらってどんなに喜んでいるのか知ってる?私達は毎晩このランプだけでお茶などをして楽しんでいるのよ。」
と、いかにも明かりを大事にするドイツ人らしく褒めてくれたのです。
それは今でも鮮明に心に残っています。

もともと木工好きではあったので、もしかすると自然に木と和紙という素材を手にしたのかもしれません。
まずは、既存のランプを参照に、、という考えは全くなく、へそ曲がりというか、いじっぱりというのか、
今までに見たこともないランプを作りたいというのがひとつの目標になりました。

私の作り方は全て感覚的な処理で行っていますので。正確に何センチ何ミリ間隔で作れるというものではありません。
従ってよく、観察して頂くと分かるのですが、必ず歪んでいる部分があります。
スタンド部分には丸太から作ったものが多いので乾燥し過ぎると若干の割れを生じることもあります。

こんな欠点ありの明かりですが、使ってみたいという方がいらっしゃれば、大変有り難いのです。
隅々まで、手で作った感じ、、(娘達は手でなめなめした感じなどといいますが、)そこが魅力だと思っているのです、、。
いい忘れるところでしたが念願叶って、このホ−ムペ−ジの立ち上げと同時に、あかり作家として独立します。

どうかよろしくお願いします。


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